育休について考える②

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前回に引き続き育休について自身の体験を通してもう少し考えてみました。

元々私はそこまで仕事を第一に生きていくというポリシーを持ち合わせることができず(これは自分にとっては大きなコンプレックスでもあるのですが)子どもが産まれたら育休を取って家族と家で過ごす時間を取りたいと思っていました。なんとなく男性の取得は2週間くらいが目安かなと漠然と考えておりましたのでそれなら自分は1ヶ月くらい取ろうかと思っていました。息子は9月に産まれる予定で育休は1ヶ月前には申し出をするという規則がありますので、それまでには上司に伝えないといけないと思っておりました。

その後息子は29週と思ったより早くに誕生(37週くらいで産まれると勝手に私が決めつけていただけなのですが)し、それはこの上なく幸せな事でしたが、その後はNICUに2ヶ月間入院することになりました。退院日は息子の状態に応じて決まるため、育休をいつから取得すればよいのかはっきりと定まらない状況の中、なるべく息子が家に帰ってきた状態で育休に入るのがよいのかなと思っていましたので10月ならば退院しているだろうと踏んでそこを育休開始に決めました。そのためには遅くとも9月までには申請しなければならず8月中には上司の先生にも言わなければいけないと思いつつ、なかなか言い出せずにいました。入院中は酸素が必要でしたが退院後も引き続き在宅酸素が必要だと告げられ、育児の負担を考えた結果、育休期間を2ヶ月に延長することにし、重い腰をあげて希望を伝えました。妻や息子のために育休をとるということには何の躊躇もありませんでしたが、それを実際に行動に移すとなるとなかなかに難しいものでした。病棟や外来の私の受け持っている患者さんは代わりに他の先生に診察をお願いしなければならず、その他自分が育休中に担当するはずだったこれからの患者さんは誰かが診ていくことになるでしょうし、単純に1人働く人が減るという状況は何らかの業務の差し支えになるのではないか等々なんだか申し訳ない気持ちにもなったりしました。結局のところ私は息子が在宅酸素という一般的には大変さを共感してもらいやすい状況(実際的に大変さはありますが)に乗っかることで長めの育休期間を申請できたような気がしますし、申し訳なさに打ち勝ってでも上司に希望を強く主張することができたのだと思います。息子の状態が私に育児の重要性を感じさせた事は間違いなくあったのですが、元々の家族と過ごす時間を増やしたいという思いがありつつも育休取得希望を申し出る際には息子の状況をより強く含んだ内容に変えてしまったことはやはり何かしらの後ろめたさがあったからなのだろうと思います。

男性を中心により育児休業が取得しやすいように産後パパ育休の設置や育休制度の改変が進みました。これはひと昔前の日本にはなかったもので今はより恵まれた環境にいるのだと思います。しかしもちろんその施設や企業にもよりますが、やはり育休を取得する事に対する後ろめたさのようなものを完全に排除することは難しいと思いますしそれは不可能ではないかとも思います。最終的には自分はどの道を選択するか、その根拠と強い気持ちを持つ事が必要なのだと思います。最後は感情論のようになってしまったのですがこれは育児休業取得を勧めるものではなく、利用できる環境があることを知った上で家族で最善の道は何かという事を一度考えてみる事はその後どういう選択をとるかに限らず大切だということです。自分の仕事に対する考え方、家族への思いなど思わぬ方向にも考えが巡るいい機会になると思います。

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